掛け捨ての保険は、保険料がリーズナブルということもあり、できるだけ安く済ませたいという独身の方には人気です。
一方で、掛け捨ての保険なので、お金を損していないのか気になるのも事実です。
それに、生命保険や医療保険など、色々な種類も多く、分かりづらいですよね?
貯蓄型の保険を検討して、お金を積み立てていったほうがよいのかと迷う方も多いと思います。
そこで、今回の記事では、独身の方に向けて、
- 掛け捨て型の生命保険のメリットとデメリット
- 掛け捨て型の保険で、独身の方にお勧めな保険
- 独身の方の保険の見直し方
の3点をシェアしていきます。
特に独身の方で、
- 保険をリーズナブルに抑えたい方
- 今の保険がちゃんと自分に合っているのかを考えたい方
- 保険に入ろうと思っているけれど迷っている方
は、是非、今回の記事を参考にしてください。
この記事を書いている私は、MDRT(保険のトップ7%の営業マン)に入っているプロの保険営業マンで5年のFP歴があります。
セミナーやコンサルで延べ1,000人のお金の相談を受けてきた経験を元に、解説していきます。
では早速、掛け捨て型の生命保険のメリットとデメリットについてシェアしていきたいと思います。
1.掛け捨て型の生命保険のメリットは、「手厚い保障」「リーズナブル」「見直しやすい」
結論から言うと、掛け捨て型の生命保険のメリットは下記の3つです。
- 決まった期間に手厚い保障をつけることができる
- 保険料がリーズナブル
- 保障内容を見直しやすい
一つ一つ解説していきます。
1.決まった期間に手厚い保障をつけることができる
掛け捨て型の保険のメリットの1つ目は、ある決まった期間に手厚い保障をつけることができる、という点です。
例えば、あなたにお子さんが生まれると、お子さんが大学を卒業し就職するまでの間、保障が必要になります。
なぜなら、あなたに万が一のことが起きたときに、お子さんが経済的に困るからです。
一方で、お子さんが大学を卒業し就職した後は、経済的なリスクが無くなるので保障はいらなくなります。
このように、保障が必要な期間だけ保障を得ることができるのが、掛け捨て保険のよいところになります。
独身の方で、特に扶養している方がいない場合は、万が一のことが合っても特に経済的に困る方はいません。
そのため、掛け捨ての生命保険で、何か手厚い保障を得る必要はありません。
2.保険料がリーズナブル
掛け捨ての保険は、保険料がリーズナブルです。
掛け捨ての保険なので、貯蓄部分が無いためです。
下記の図を見てください。
これは保険料のイメージ図になります。

私たちが支払っている保険料は大きく分けて3つの用途で使われていきます。
「保険会社が管理のために必要なお金」
「万が一の人のために配るお金」
「保険会社が運用するお金」
の3つです。
掛け捨ての保険に関しては、この中で「保険会社が運用するお金」がほぼ無いため、その分保険料がリーズナブルになっています。
一方、貯蓄型保険の保険料が高くなっているのは、この「保険会社が運用するお金」が多いからです。
貯蓄型の保険は、お客様にお金を戻す必要があるため、その分運用を行わなければいけません。
繰り返しますが、掛け捨て型の保険は、運用するお金がほぼ無いため、保険料がリーズナブルなのです。
3.保障内容を見直しやすい
保障内容を見直しやすいのも、掛け捨ての保険のメリットとなります。
貯蓄型の保険は解約すると損をすることが多いため、新しい商品が出て明らかに保障内容が格段によくなったとしても、解約しづらいです。
一方、掛け捨て型の保険でしたら、特に戻ってくるお金もないため、見直しをしやすくなります。
もちろん、保険は、その時の年齢、健康状態で保険料が決まるため、保険を解約したり見直しをしたりする場合は慎重に考えることが大切です。
以上の3つが掛け捨て型の生命保険のメリットです。
次にデメリットについてもシェアをします。
2.掛け捨て型の生命保険のデメリットは、「お金が戻ってこない」、「保障が一生続かない」
掛け捨て型の生命保険のデメリットは、
1.お金が戻ってこない
2.保障が一生続かない
という2点になります。
これについても1つずつ解説します。
1.お金が戻ってこない
掛け捨て型の生命保険のデメリットの1つは、お金が戻ってこないことです。
特にこれから給料が上がらない時代になっている中で、純粋にコストとして支払うのは、抵抗を感じる方がいるのは事実です。
ただし、ここに関しては、ただ単にお金を捨てているというのではなく、保障のためにお金を使っているという感覚を持つとよいと思います。
例えば、自宅を守るホームセキュリティの警備会社を考えてみましょう。
ホームセキュリティを自宅に付けても、特に不審者が侵入することなどがなければ、警備の方が駆けつけることはありません。
では、警備の方が駆けつけないから無駄なのかと言うと、そうではありません。
なぜなら、その間守られているからです。
これと同じように、掛け捨ての保険に関しても、お金を捨てているのではなくて、保障を得るためのコストを支払っている、という感覚を持つとよいと思います。
2.保障が一生続かない
保障が一生続かないというデメリットもあります。
がんや介護のように将来なる確率が高く、かつ、いつなるか分からないものに対しては備えづらくなります。
ずっと保障を得るためには、その都度保険を更新しなくてはいけません。
保険料が決まる要素の1つは年齢のため、保険を延長する目的で更新をすると、その都度保険料が高くなっていくデメリットもあります。
目的によっては、掛け捨ての保障期間が決まっている保険を選ばずに、保障が一生続く保険を選択したほうがよいのも事実です。
以上のようにメリットとデメリットを見ていると、掛け捨て型の生命保険をうまく活用するにはどうすればよいかが見えてきます。
・掛け捨て型の生命保険は、大きな保障をピンポイントでほしい人におすすめ
掛け捨て型の生命保険は、大きな保障を決まった期間ピンポイントでほしい方に向いています。
しかし、独身の方は、扶養している方がいない場合は、大きな死亡保障は必要ない方が多いです。
そのため、生命保険は必要ありません。
独身の方が万が一の時に必要なお金は、葬式代やお墓代と言われていますが、100万円~300万円程度と言われています。
その額でしたら、十分貯金で補えるお金ですし、保険で備えるとしてもこの程度の死亡保障で十分です。
以上から、独身の方は、大きな死亡保障は必要ないことが多いです。
さて、ここまで掛け捨て型の生命保険について説明をしてきましたが、他にも掛け捨て型の保険はあります。
そこで、次に、掛け捨て型の保険で、特に独身の方にお勧めの保険について説明をします。
3.独身にお勧めの掛け捨ての保険は「就業不能保険」「医療保険」
独身の方にお勧めの掛け捨ての保険は、「就業不能保険」と「医療保険」です。
おすすめの理由を一つ一つ説明していきます。
・就業不能保険
就業不能保険とは、ケガや病気で働けなくなったときに、毎月給料の代わりにお金が給付される保険です。
就業不能保険は大半が掛け捨て型で、保障される期間が定まっている保険になります。
イメージしやすいのは、がんになって働けなくなってしまったり、交通事故に遭って寝たきりになって働けなくなってしまったときに備えるケースです。
独身の方は、年金が貰えるようになる65歳までなど、自分で働く期間を設定して加入されることが多いです。
なぜ、独身の方にこの保険を勧めているのかと言うと、働けなくなったときの影響がとても大きいからです。
保険は、万が一のことが起きたときに影響が大きいものに対して備えることが大切です。
そして、独身の方が働けなくなったときに頼れるのは自分や親、兄弟などです。
しかし、多くの方は親や兄弟には迷惑をかけたくないと思っているでしょう。
保険のメリットは、他の人に迷惑をかけることなく、自分でお金を用意できることです。
なお、働けなくなったときに、どのくらい影響が大きいのかや、実際に働けなくなったときにどのように国の保障がおりるのかなどは下記の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
・医療保険
独身の方は医療保険もお勧めです。
なぜなら、日本人の50%近くが三大疾病(がん、心疾患(主に急性心筋梗塞)、脳血管疾患(主に脳卒中))で亡くなっているからです。
三大疾病で亡くなるということは、その前後で入院や手術が必要になり、医療費や治療費が多くかかることを意味します。
具体的にどのくらいの入院日数になっているかを見てみましょう。
下記の表は、平成27年に厚生労働省が発表した「患者調査」から、三大疾病の平均入院日数を抜粋したものです。
がん | 16.1日 |
心疾患 | 19.3日 |
脳血管疾患 | 78.2日 |
これを見てみると、特に脳血管疾患の入院日数が78.2日と多くなっていることが分かります。
もちろん、医療費に関しては、高額療養費制度などの制度があるため、実際にかかるお金は8万円+α程度の場合が多いです。
しかし、それ以外にも自己負担しなければならない費用もあります。
それが、「長期入院した際に必要な部屋代(差額ベッド代)」と「3割負担にならない先進医療などの治療代」です。
特にがんに関しては、先進医療を選択する人も多く、高額な治療費が必要になることが多々あります。
これらに備えるために、医療保険をお勧めしています。
医療保険は、掛け捨て型が多いということもあり、健康状態と年齢で保険料が決まるため、若いうちから入っているほうが、月々の負担額が少なくて済みます。
医療保険を検討されている方は、若いうちから検討するとよいと思います。
以上、掛け捨て型の保険で、特に独身の方にお勧めの保険を紹介してきました。
掛け捨て型の保険を選ぶ際は、掛け捨てだからこそできるメリットを考えながら選ぶとよいです。
一方、掛け捨てだけでなく、貯蓄型の保険を選ぶ方が多いのも事実です。
そこで次に、貯蓄型の保険のメリット・デメリットを説明し、独身の方にはどんな貯蓄型の保険がお勧めなのかもシェアしたいと思います。
4.独身の方にお勧めの貯蓄型の保険は「三大疾病保険」「介護保険」です
独身の方にお勧めの貯蓄型の保険は、「三大疾病保険」と「介護保険」です。
なぜなら、これらは、保障が一生続くからです。
将来的には、日本人の2人に1人はがんに、3人に1人は介護になると言われています。
がんや介護については、将来的になる確率は高いですが、いつなるのか分かりません。
70歳でなる方もいますし、90歳でなる方もいます。
そうなった場合に、保障を得るためには、期間を定めるよりも、一生保障を得て備えられるほうが、経済的なリスクが少なくなります。
そのため、三大疾病保険や介護保険は、貯蓄型の終身保険で備えることをお勧めしています。
また貯蓄型の保険ですので、もし80歳や85歳でもう保障が必要ないと判断した際には、お金が戻ってきます。
どのくらい戻ってくるのかは保険によって変わりますが、老後資金として利用できるので、個人的には貯蓄型の三大疾病保険と介護保険をお勧めしています。
5.独身の方の保険の見直すには、掛け捨てと貯蓄のメリットを生かすこと
独身の方の保険の見直しをする際は、掛け捨ての保険と貯蓄型の保険のメリットを生かすことがとても大切になります。
具体的には、
- 就業不能保険や医療保険→掛け捨て
- 三大疾病保険や介護保険→貯蓄型
のように、各保険の特徴とメリットを生かすことをお勧めします。
またそれ以外の大切な点は、保険ではお金を増やさずに、「保障に専念する」ということです。
保険料は次の3つから成り立っているという話をしました。
「保険会社が管理のために必要なお金」
「万が一の人のために配るお金」
「保険会社が運用するお金」
つまり、保障のためにお金がかかっているのです。
そのため、「保険でお金を増やす」という選択肢は取らないほうが無難です。
よく「保険は投資です」という方もいますが、個人的にはあまりお勧めしていません。
保険は保障を取るためのものであり、保障がある分、お金が増えづらくなっているからです。
保険は、保険でしかできない保障を取ることに専念し、お金を増やすには投資信託などを利用するなど、目的別にメリハリをつけることが大切だと思っています。
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