多くの独身男性は、保険に対して
- 今は元気だから必要ない
- 結婚してないし、家族を持っていないから不要
- 若いから、まだ必要ない
という感覚を持っています。
しかし一方で、あなたのように
- 本当に独身の男性に必要な保険が知りたい
- しっかり将来のことを考えて保険に入りたい
と悩んでいる方も多いのです。
そこでこの記事では、
- 独身の男性に必要な保険とその根拠
- 保険で損をしないために大切な考え方
についてまとめていきます。
この記事を書いている私は、MDRT(保険のトップ7%の営業マン)に入っているプロの保険営業マンで5年のFP歴があります。
セミナーやコンサルで延べ1,000人のお金の相談を受けてきた経験を元に、解説していきます。
5分でサラッと読めて、独身の男性が入ったほうが良い保険が根拠と合わせて分かりますよ。
1.独身の男性に必要な4つの保険
結論から言うと、独身の男性に必要な保険は、
「三大疾病の保険、医療保険、介護保険、就労不能保険」です。
なぜなのかと言うと、独身でも結婚をしたとしても、老後も踏まえて必要になるからです。
これらの保険が必要な根拠について、一つ一つ解説していきます。
①三大疾病の保険と医療保険
三大疾病とは、がん、心疾患(主に急性心筋梗塞)、脳血管疾患(主に脳卒中)のことです。
これらの病気は、死亡率が高かったり、通常の病気と比べて治療費が高額になるため、今から備えておくことをお勧めします。
まずは、三大疾病での死亡率はどれくらいなのかを見てみましょう。
- がん・・・27.3%
- 心疾患・・・15.0%
- 脳血管疾患・・・7.7%
これは、厚生労働省が出している「2019年人口動態統計月報年計の概況」からとってきた数値です。
日本人が死亡する原因のうち、三大疾病で死亡している人は約50%ということが分かります。
また下記の数値を見てください。
- がん・・・16.1日
- 心疾患・・・19.3日
- 脳血管疾患・・・78.2日
これは平成27年に厚生労働省が出した「患者調査」から抜粋したもので、三大疾病の平均の入院日数を表しています。
特に脳血管疾患の入院数が多くなっています。
もちろん、高額療養費制度など、医療費が少なくなり、実際にかかるお金は8万円+α程度の場合が多いです。
しかし、それ以外に自己負担しなければならないのが、「長期入院したときの部屋代(差額ベッド代)」と「3割負担にならない先進医療などの治療代」です。
そのため三大疾病の保険と医療保険の両方で備えることをお勧めしています。
三大疾病になったときには、まず大きなお金を三大疾病の保険で補い、それ以外の入院費や先進医療などの治療費を医療保険で補うという方法でカバーできます。
医療保険は病気になった時の自己負担に備える保険で、主に「大きな病気で長期入院したときの差額ベッド代」、「先進医療などの3割負担にならない治療代」を補填する目的です。
独身の男性の場合、将来特に三大疾病になる確率が高い、かつ、三大疾病になった時の負担がとても大きいため、初めに検討する保険としてお勧めしています。
安東も加入しています。
②介護保険
独身の男性の方には、介護保険もお勧めです。
なぜなら、これからさらに寿命が延びることを考えると、介護になる確率も高いからです。
85歳以上の男性の約3人に1人が、介護が必要になっています。
まずは下記の図を見てください。

出典:厚生労働省「平成30年度 介護給付費等実態調査の概況」(2020年8月16日閲覧)
この図は、厚生労働省が発表した「平成30年度 介護給付費等実態調査の概況」から持ってきたもので、性別・年代別に介護状態になった人がどのくらいなのかを示しています。
図から分かる通り、85歳以上の男性の約3人に1人が、介護が必要になっています。
これからさらに寿命も延びると考えられるため、独身の男性は今から備えておいたほうが良いでしょう。
また、厚生労働省が出している「国民生活基礎調査2019」によると、男性では、約4人に1人が脳血管疾患(主に脳卒中)で介護になっていることが分かります。
三大疾病と介護の両方に備えられる保険も出ているため、個人的には幅広い保障に対応できる保険をお勧めしています。
・介護保険は貯金で補っても良いのか
結論から言うと、介護保険は貯金で補うことはお勧めしていません。
それは、今の介護世帯の経済状況を見てみると分かります。
2019年の厚生労働量が出した、「国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢世帯の貯金の中央値は700万円程度となっています。
つまり、約50%の人の貯金が700万円以下なのです。

人は未来に期待すると全く動かないことが多いです。
例えば資格の勉強をしようと思っても、「今日は疲れたから明日にしよう。」などと思ったことはありませんか?
そして、「次の日になると、明日から頑張ろう。」と考えて、結局1年何もしないということが僕自身、沢山ありました。
これと同じように、将来の介護費用についても先延ばしすると危険です。
もちろん、貯金で補うこともできますが、未来に期待するよりも、今からしっかり備えることが大切です。
③就労不能保険
就労不能保険は、先ほど説明した三大疾病などの大きな病気や事故などで働けなくなった時に、給料の代わりにお金を受け取ることができる保険です。
特に独身の男性に保険を勧める理由は、働けなくなったときの影響が大きいからです。
働けなくなったときの影響を考えてみましょう。
下記の表を見てください。

これはサラリーマンの方が大きな病気等で働けなくなったときに、どのようにお金を工面していくのかをまとめたものです。
まず働けなくなったときには、有休を使います。
そして有休を使ったらそれ以降はお金を得る方法が無いように思えますが、国の制度が使えます。
それが傷病手当金です。
これは働けなくなったときに、最大基本給の2/3のお金を国が支給してくれる制度です。
支給開始から1年半、支給してもらえます。
そして、1年半後に仕事が復帰できない場合は、障害が残っていたり重症化している可能性が高いです。
そうなったら障害年金が出ます。
このように国の制度も充実していますが、図から分かるように、治療費や生活費等、足りなくなります。
その足りなくなった分を保険で補うのです。
特に就労不能保険は働けなくなったときのお金を補填するものです。
必要な金額は人によって変わりますが、働けなくなった場合は収入が減り、かつ治療費も増えるため、お勧めです。
実際に病気で働けなくなった独身の方から話を伺ったことがあるのですが、次のように話をしてくれました。
この方は、大きな病気になって働けなくなり、実家に戻った30代の男性です。
病気も辛いけど、自分が両親の負担になっていることも辛い
生活費はご両親が払ってくれていますが、それに対して何もできない自分が辛い、とのことでした。
その時に、就労不能保険があれば、ご両親の負担も減るので、入っておけばよかったと言っていました。
就労不能保険は、働けなくなったときに、誰にも迷惑をかけずに、自分で生活費を準備するための手段となります。
是非考えてみるとよいと思います。
2.保険を考える上で大切なのは「保障を取ること」に徹することです。
保険を考える上で大切なのは、保険でしかできない「保障を取ること」に徹することです。
それ以外は保険でやるメリットがほとんどありません。
例えば、「保険でお金を増やす」や「保険で投資をする」ということをよく聞くと思いますが、個人的には勧めていません。
なぜなら、保険でお金を増やそうとすると、他の金融商品と比べてお金が増えづらいからです。
保険は国債を使ってお金を積み立てています。
国債は安全資産のため、お金を増やすよりも元本保証に重きを置いているものです。
これは目安として覚えておくと良いのですが、保険で35年積み立てたとすると、積み立てたお金の90%~120%程度になるという目安を持つと良いと思います。
35年間で1,000万円積み立てたとすると、900万円~1,200万円になっているということです。
もちろん保障を得ているので、損か得かを考える必要はないですが、プロの目線としては、お金を増やすものではないというイメージがあります。
もちろん、例外の保険もありますが…
一方、投資信託で35年間3%~5%の金利で積み立てたとすると、目安としては1.7倍~2.7倍程度は狙えます。
35年間で1,000万円積み立てたとすると、1,700万円~2,700万円を狙えることになります。
当然、元本を下回るリスクもありますが、このくらいの違いがあるのです。
最近は、投資信託型の保険のように、お金を増やすことに特化した保険が存在するのも事実です。
しかし、あくまでも「保険」です。
保険ということは、保障が付いています。
そのため、「保障のためのコスト」が、他の投資に比べると多くかかっているのです。
コストがかかっているということは、お金を増やすための原資がその分減っているということ。
ですから、保険はお金を増やすものではなく、「保障をとるもの」ということを覚えておいてください。
繰り返しますが、大切なのは、どんな将来のリスクがあるのかをしっかり把握し、それに対して備えることです。
- 病気の治療費や介護などの「保障を得る」→保険
- 将来の生活費など「お金を増やす」→投資信託(確定拠出年金やNISA)や株などの金融商品
このように、「保険は保障」と割り切って、しっかり目的を持って入ることを心掛けてください。これが独身の方が保険を選ぶ際の、一番大切なポイントになります。
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