社会人として数年が経ち、周りの同期や先輩に保険を勧められたことがあるという方も多いはず。
一方で、
- 若いから、まだ保険は必要ない
- 正直、保険の選び方がわからない
- 将来のことを考えると、保険に加入するか迷っている
- まだ給料が高くないし、貯金もしないといけない
- 楽しみにもお金を使いたい
などなど、頭を悩ませる要素も多いというのが、本音ではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- そもそも保険はどんなものか
- 20代の独身男性に必要な保険は何か
- 逆に、20代の独身男性にいらない保険は何か
- 保険料の目安はどのくらいか
- 保険以外のお金の考え方
について、盛りだくさんで解説していきます。
この記事を書いている私は、MDRT(保険のトップ7%の営業マン)に入っているプロの保険営業マンで5年のFP歴があります。
セミナーやコンサルで延べ1,000人のお金の相談を受けてきた経験を元に、解説していきます。
5分でサラッと読めて、20代の独身男性に必要な保険の知識が身につきますので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、そもそも20代で保険が必要なのかについて話をしていきます。
1.そもそも20代で保険が必要なのか
結論、20代でも保険が必要です。
なぜなら保険に若いうちから入ったほうが得だからです。
保険は、万が一のことになったり、病気で長期入院したときなどの経済的なリスクを負担するためのものです。
ここで考えてほしいのが、どうやって保険料が決まっているかです。
ここは、保険会社の視点で考えてみましょう。
下記のような2人の男性が、全く同じ保険を検討しているとします。
Aさん:25歳 男性 健康

Bさん:35歳 男性 やや中年太り気味…

このAさんとBさん、保険会社からしたら、どちらのほうが、万が一のことが起きると考えるでしょうか。
当たり前ですが、Bさんですよね。
なぜなら、年齢が高いため万が一のことが起きやすいですし、中年太りをしている分、健康状態に問題があるからです。
保険会社からすると、AさんとBさんを比較すると、お金を支払う可能性は、若くて健康なAさんのほうが低いです。
ということは、全く同じ保険で同じ保障を取ったとしても、Aさんの方がリスクが低い分、安い保険料で済むことになります。
つまり保険の値段は、「年齢」と「健康状態」で決まります。
そのため、若いうちから保険に入っているほうが得なのです。
具体的な値段を見てみましょう。
これは2020年8月現在、ある保険会社の貯蓄型のがん保険の保険料を比較したものです。
貯蓄型の保険というのは、お金が戻ってくるタイプの保険になります。
約1,000万円の保障での保険料を比較すると下記のようになりました。(65歳まで支払う場合の設定)
Aさん→月7,887円(65歳まで、総額で約331万円支払って500万円の保障を得る)

Bさん→月12,165円(65歳まで、総額で約365万円支払って500万円の保障を得る)

上記の値段は、仮にBさんが健康であった場合の値段です。
中年太り等で健康でないとみなされた場合、この値段からさらに高くなる可能性もあります。
上記を見てみると、若くて健康な頃から保険に入っていたほうが、月々の保険料が安くなり、かつ、若い時から保障が取れるのです。
そのため、保険は若い時から入っていたほうが得なのです。
また、上記の保険は貯蓄型ですので、保障が無くなる代わりにお金が戻ってくるタイプの保険になります。
何歳まで支払う保険にするのか、どのタイミングで解約をするのかによって戻ってくるお金の量は変わりますが、今回の条件では、70歳以降にお金を戻す選択をすれば、約120%のお金が戻ってくる設計になっています。
このように保険は、若い時から検討することをお勧めしています。
ここまで読んでくれた20代の独身の男性の方は、実際にどんな保険に入ったほうがよいのかと考えると思います。
ですから次に、どんな保険に入ったほうがよいのかについてもシェアしたいと思います。
大切なポイントは、将来どんなリスクがあるのかをしっかり理解することです。
どんなリスクがあって、どんな保障を保険で得るのかをしっかり考える必要があります。
ここでは、20代の独身男性にどんな保険が必要なのか、将来どんなリスクがあるのかと合わせて紹介していきたいと思います。
2.20代の独身男性に必要な2大保険
20代の独身男性に必要な保険は「三大疾病保険、医療保険」です。
なぜなら、この2つの保険は、将来結婚をしても必要になるからです。
特に20代は保険にかけられるお金も限られていますので、その分しっかり必要な保障を吟味する必要があります。
具体的に、なぜこの「三大疾病保険」と「医療保険」の2つが必要なのかを、データに照らし合わせて説明します。
・三大疾病保険と医療保険
三大疾病保険とは、がん、心疾患(主に急性心筋梗塞)、脳血管疾患(主に脳卒中)に備えるための保険です。
なぜこれらに備える必要があるのかというと、日本人の死亡率がとても高く、通常の病気と比べて治療費がより高額になるからです。
そのため、今から備えておくことをお勧めします。
では具体的に、どれくらいの死亡率なのでしょうか。
ここで、三大疾病の死亡率を具体的に見ていきましょう。
厚生労働省が発表した「2019年人口動態統計月報年計の概況」によると、日本人が死亡する原因のうち、三大疾病で死亡している人は約50%ということが分かります。
- がん・・・27.3%
- 心疾患・・・15.0%
- 脳血管疾患・・・7.7%
そして、これらの病気で万が一のことになるということは、その前後で手術なり入院なりのお金がかかるということです。
では、具体的にどのくらいの入院が必要になっているのかも見てみましょう。
下記の数値を見てください。
- がん・・・16.1日
- 心疾患・・・19.3日
- 脳血管疾患・・・78.2日
この数値は、平成27年に厚生労働省が出した「患者調査」から抜粋したものになります。
特に脳血管疾患の入院数が多くなっています。
男性は将来、介護になる理由もこの脳血管疾患が多いと言われています。
もちろん、高額療養費制度などの制度があるため、実際にかかるお金は8万円+α程度の場合が多いです。
しかし、それ以外に自己負担しなければならないのが、「長期入院したときの部屋代(差額ベッド代)」と「3割負担にならない先進医療などの治療代」です。
特にがんに関しては、先進医療を選択する人も多く、沢山の治療費がかかることが分かっています。
そのため20代の独身のうちに、三大疾病の保険と医療保険の両方を検討することをお勧めしています。
これらの保険は安東も加入しています。
さて、このような話を20代の方にすると、よくこんな質問を受けます。
「他に色々な保険を勧められたのですが、特にいらない保険は何ですか?」
「月々の保険料の目安はどのくらいがいいですか?」
この2点の質問についても回答していきたいと思います。
3.20代の独身男性に必要のない2つの保険
20代の独身男性に必要のない保険は、「高額な死亡保障だけの保険」と「個人年金保険」です。
なぜ必要ないのか、理由を解説していきます。
①高額な死亡保障だけの保険
保険は万が一のことが起きたときに、経済的なリスクに備えるためのものです。
ここで考えてほしいことは、自分自身に万が一のことが起きたときに、どんな経済的なリスクがあるかです。
もちろん、ご両親の生活を支えている方でしたら、高額な死亡保障は必要です。
しかし20代の男性で、ご両親の生活を支えている人でないのなら、万が一のことがあったとしても、経済的なリスクはありません。
よく言われるのが、葬式代とお墓代ですが、最近は少額で済ませる方も多く、100万円~300万円程度で済んでしまいます。
先ほど話したように、保険は、将来どんなリスクがあって、それに対してどんな保障を取るのか、がとても大切です。
そのため、この部分が曖昧なままだと保険で損することが多くなります。
繰り返しますが、高額な死亡保障の保険は、ご両親など家族の生活を支えていない場合は、必要ありません。
②個人年金保険
個人年金保険も20代の独身男性には必要ありません。
というか、個人年金保険は、ほとんどの人にとって必要ない保険になります。
なぜなら、保険でお金を増やそうとすると損するからです。
ここで考えてほしいのですが、保険は、「保障」を取るためのものです。
ということは、保障を取るためのコストがかかります。
この個人年金保険も「保険」という名前がついているので、ちょっとした保障がついています。
そのため、保障のコストがかかっているのです。
お金を増やすために大切なのは、できるだけお金を増やす際にかかるコストを減らすことです。
個人年金保険は保障のコストがかかっているため、他の投資手段と比べて、お金が増えづらくなります。
そのため、20代の独身男性に個人年金保険は必要ありません。
保険は「保障を取るためのもの」です。
お金を増やすのでしたら、税金の面でもコストの面でも、もっと他に効率の良い方法があります。
「保険でお金を増やそうとしない」というフレーズは、絶対に覚えておきましょう!
繰り返しになりますが、以上の理由から、20代の独身男性に個人年金保険は必要ありません。
次によく聞かれる質問、「20代の独身男性に必要な保険料の目安」についても回答したいと思います。
4.20代の独身男性に必要な保険料の目安は、貯金の30%です。
20代の独身男性に必要な保険料の目安は、月々の貯金の30%です。
なぜなら、保険は保障を取るために続けるものなので、絶対に支払い続けられる額を選ぶ必要があるからです。
別の言い方をすれば、月々の貯金ができていない人は、そもそも保険の検討をするのではなくて、家計をしっかり見直す必要があります。
では、なぜ月々の貯金額の30%を目安にしているのでしょうか。
それは安東が家計相談をする中で、貯金の使い道を下記のようにお勧めしているからです。
貯金の40% | 銀行口座にお金を入れておく。家電が壊れたり、結婚式に呼ばれたりしたときの緊急費用。 |
貯金の30% | 自己投資や投資信託などの経済投資用のお金。自分の給料を上げたり、お金を増やしたりするために使う。 |
貯金の30% | 保障を取りつつ、確実に積み立てていくお金。保険で保障を取り終えたら、保険以外の方法でお金を積み立てていくことが大切。 |
とにかく20代のうちは自分自身で貯金の使い道を考えていく必要がありますので、上記の使い道を是非参考にしてください。
最後に、ここまで読んだ方は、月々どれくらい貯金をすればよいのかも迷うと思いますので、それについても回答したいと思います。
5.理想は手取りの30%貯金をすること
理想は手取りの30%を貯金することです。
実家暮らしの方は手取りの50%を目標にしましょう。
なぜならこのくらい貯金をしていかないと、老後の生活に支障が出るからです。
もちろん、いきなり手取りの30%を貯金するのは厳しいと思いますので、全く貯金できていない人は、まずは手取りの10%を貯金することを目指しましょう。
つまり、手取り20万円程度の方は、まずは月2万円~3万円を目安に貯金してみてください。
月2万円~3万円の貯金ができるようになれば、給料が上がってくるにつれて、貯金できる額も少しずつ上がってきます。
是非、まだ全く貯金できていない方は、まずは月2万円~3万円の貯金を目指しましょう。
以上、20代の独身の方がどんな保険が必要なのかについて解説をしてきました。
しかし、これだけでは、今自分の入っている保険が大丈夫なのか、自分の保険料が適正なのかが分かりづらいと思います。
そういう方のために、メルマガを作成しています。
家計のポイント、保険を選ぶ際のポイント、そして投資をする際のポイントをまとめています。
この3つを意識するか否かで将来、1,000万円は変わります。
是非、さらに詳しくお金を学び、実践していきたい方は参考にしてみてください。
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