9割が選び方を間違える保険─1000人の相談で見えた“失敗の共通点”と、迷わない3つのステップ

「将来の不安と、親に迷惑をかけない方がいいと言われて、とりあえず月3万円の積立保険に入ったんです…」

これは先日相談にきた、30代の独身の会社員の方が言った言葉です。

そして、彼はこう続けました。

「十分説明を聞いて入ったはずなのに…。
本当にこの保険は自分に必要だったのか分からないんです…。」

「思ったよりも、月3万円の負担は大きいなと思ってしまって…。」

僕はこれまで1000人以上の相談の中で、多くの方からこの言葉を聞いてきました。

  • 貯金より増えそう
  • 保障もつく
  • “なんとなく良さそう”
    だから、何もしないよりは良い気がする──。

そんな理由で保険を契約する人が多い。

でも多くの人が、契約をした後に不安に思ってしまう。
ネットやYoutubeなどの情報を見て保険に対してネガティブな情報が多いからです。

「本当に自分に必要なのだろうか…。」

このように不安に思ってしまう人はたくさんいます。

目次

不安が消えない理由は、「保険のよくある落とし穴」にあった

保険の相談に来た方の多くは、同じ失敗をしています。

それは──

まずはお試しで保険の話を聞いてしまうこと

実は、これこそがよくある落とし穴なんです。

なぜか。

それは、保険の話を聞くと、必要前提で話が進んでしまっていくからです。

例えば、レストランに入ったとき。レストランの店員が「お腹空いていますか?」とは聞きませんよね。

保険も同じ。

保険の説明を聞きに来たということは、保険の営業マンは基本的に「あなたが保険が必要な前提」で話を進めます。

でも、ここで考えて欲しいです。

保険って何かに備えるものなんです。
でも、備える必要のある「何か」が無いと、そもそも保険に入る必要はないですよね。

保険は、あなたが備えたいものに備えるために、敢えてコストを支払って守られるものなんです。つまり、保険には備えるものが無いと、無駄なコストを支払い続けることになる。

保険の必要性の有無を判断せずに、保険が必要な前提で話が進んでしまう。これが問題なのです。

まずはこれを頭に入れる必要があります。

説明を先に聞くと「必要前提のストーリー」に引き込まれてしまう

では、警戒して保険の話を聞きに行ったときはどうか。

それでも、いきなり保険の話を聞いてしまうと、どうしても「保険は必要」と思うようになってしまいます。

なぜか。

それは、保険の話はリスクに備えるための話なので、

  • もしもの「万が一」の話
  • 専門用語
  • 専門家との知識差

の話が多くなるからです。

特に、専門家との知識差によって引っ張られ、「保険は必要なんだな」と思ってしまうことが多い。そう思うと、どんどん話は進んでいきます。

  • 積立型保険が良いか、掛け捨て保険が良いかという比較。
  • A社とB社の保険のどちらが良いのかという比較。

こういう比較を始めると、

「自分には必要そうかも…。」

と思うようになって契約をしてしまう。

でもここで考えて欲しいんです。

あなたが保険の話を聞きたいと思ったのは、保険に入ろうと思っていたからでしょうか?

違いますよね。

あなたが話を聞こうと思ったのは、「そもそも保険が必要なのかを判断したかったから」ですよね。

でも、最初に保険の話を聞いてしまうと、「自分には本当に保険が必要なのか」という大切な問いが抜け落ちるのです。

そのため、いつまで経っても不安が消えなくなります。

「自分は何のために保険に入るのか?」という“自分軸”

じゃあ、どうすればいいのか?

やることは一つ。

保険に対しての自分軸を整理するんです。

具体的には、

「何のために保険に入るのか?」
「どのリスクに備えることが自分にとって重要か?」
「どこから保険で備えるか?」

という自分の価値観をちゃんと整理をして、保険とどう付き合っていくのかを考える必要があります。

なぜか。

この自分軸が曖昧だと、いつまでたっても保険に対する方向性が定まらないからです。

逆に、自分軸さえ整えば、保険がそもそも必要かどうかを判断できるようになるのです。

自分軸を整えるための方法:「保険選びの3ステップ」

じゃあ、具体的にどのようにして自分軸を整理すればいいのか。

それは、これから紹介をする保険選びの3STEPを実践すればいいのです。

実は、1000人以上の相談の中で、保険に納得して入っている人には、ある共通点がありました。

それは
「あることを順番どおりに考えていくと、保険に対する自分軸が勝手に浮かび上がる」
ということ。

そこで僕は、自分軸を整え、保険の迷いを消すための方法を3つのステップにまとめました。

紹介しますね。

【迷わない保険選びのための3ステップ】

STEP1:不安を全部書き出し、「発生頻度」×「経済損失」で整理をする

まずは、自分が不安に思っていることを書きましょう。

例えば、

  • 老後の生活が不安
  • 働けなくなったときの収入減少が不安
  • 病気になったときのお金が不安
  • 自分に万が一のことが起きたときに、家族に迷惑をかけないか不安

人の不安は「曖昧なまま」では消えません。まずは「どんな不安があるのか」を言語化することで、自分が何を大切にしていきたいのか、何が心配なのかが分かるようになります。

そして、挙げた不安を「発生頻度」と「経済損失」で整理します。

例えば、今回の相談者の方(30代の独身の会社員の方)は、

  • ①万が一のことが起きたときのお金の心配
  • ②病気になったときの入院費が心配
  • ③働けなくなったときのお金の心配

の3つに不安がありました。

これらを整理すると、下記のような図になります。

ここで注意しなくてはいけないのが、この「発生頻度」と「経済損失」の図は、人の状況や年齢によって変わるということです。今回は独身の方ですが、もしお子さんがいる方でしたら、万が一のことが起きたときのお金の心配の「経済損失」は大きくなりますよね。

こうやってあなたが不安に思っていることを整理してください。数値・事実・影響で整理すると、自分の不安に感じていることのリスクが見える化します。

説明すると難しいように思いますが、実際にやってみるとすぐにできます。

STEP2:国や会社の制度(公助)を確認する

次のステップは、国の制度や会社の制度をチェックします。

例えば、医療費でしたら、高額療養費制度があるため、年収によっては大きな医療費は必要ありません。また、長期入院をしても、会社員の方でしたら傷病手当金などがあります。

また、会社員の方でしたら、自分の会社の福利厚生を確認することも大切です。保険証を見て、保険組合のHPを見て確認してください。例えば、会社によっては、入院費の援助をしてくれるところもあります。ただ、たくさんのお客様から話を聞いてみると、会社の福利厚生があるところはまれです。会社の福利厚生が有ったらラッキーと思いましょう。

こうやって、公的保障や会社の福利厚生を見ると、実は守られている部分は、想像以上に多いんです。

ちなみに、これを先ほどの相談者(30代の独身の会社員の方)に当てはめてみると、

  • ①万が一のことが起きたときのお金の心配:会社の福利厚生で弔慰金が5万円でる。
  • ②病気になったときの入院費が心配:国の高額療養費制度で月10万円以上は行かなそう。1か月入院して1日1万円の個室を選んだとしても、1か月でも最大50万円程度で済みそう。
  • ③働けなくなったときのお金の心配:国の制度の傷病手当金で、1年半までは基本給の2/3が支給される。

というようになるという話をしました。

相談者の方は

「えっ!医療費って1か月ずっと個室に入院しても、50万円程度なんですか?僕はもっと安い大部屋でも大丈夫なので、そうなると、10万円程度にしかならないなんてビックリです!」

と言っていたのが印象的でした。

STEP3:保険以外の方法を考える。

次に考えるのが、保険以外の方法を考えることです。もし自分の不安に思うことが起きてしまったときに、自分でできることは無いかを考えます。

例えば、今自分が貯めている貯金でも備えることができますよね。家族にも助けてもらうこともできます。

今回の相談者(30代の独身の会社員の方)には、下記のように伝えました。

  • ①万が一のことが起きたときのお金の心配:貯金で葬式代とお墓代は貯まっている。
  • ②病気になったときの入院費が心配:今の貯金で3カ月程度の入院は備えられる。
  • ③働けなくなったときのお金の心配:療養中は生活費を下げるために、親に相談をして実家に引っ越す。そうなると、親には迷惑をかけるが、医療費とその他の生活費が5万円程度あれば大丈夫そう。

ということが分かりました。

相談者は「確かに、保険以外にもできることは沢山あるんですね。これを考えると、保険でしかできないことに注目できるようになりますね。」と納得の様子でした。

今回の相談者は、今の保険を解約してNISAを選択した

さあ、ようやくこれで保険が必要かどうかを判断する準備ができました。このSTEP1~STEP3までを行って、初めて保険が必要かどうかを判断できるのです。そして、必要な場合のみ、民間の保険を検討するのです。

もし、必要でない場合は、そもそも保険は必要ありません。

こうやって、まずは「そもそも自分にとって保険が必要かどうか」を判断することが大切になります。

ちなみに、今回の相談者の方は、

  • ①万が一のことが起きたときの保険は必要ない。
  • ②医療保険は必要ない。
  • ③就労不能保険のみ、経済的な影響力が大きいので検討に値する。

ということになりました。

まとめると下記の図のようになりました。

そして、③のみ保険の検討をしたんですね。

ここで始めて、保険の相談所に行くと良いんです。だって自分軸で保険の必要性を判断しているからです。逆に言うと、この3STEPをする前に相談しに行っても、自分軸が定まらないため、保険に加入しても不安になってしまいます。

彼はできるだけリーズナブルな就労不能保険を契約し、積立型の保険は解約しました。

この方は、「保険も、そして、投資もおかげさまで納得できました。何となくではなく、自分の価値観に沿って決めることができたので、とても安心しました。」と言っていたのが印象的でした。

3STEPの本質は「自分軸を言語化すること」

この3STEPは、ただ単に保険を選ぶための手順ではありません。

  • 価値観
  • 自分が守りたいもの
  • 優先順位
  • 判断基準

こうした“自分軸”が自然と明確になるよう設計されています。

実際、3STEPを終えた方はほぼ全員こう言います。

「選ぶ基準が自分の中にできた気がします」
「保険だけじゃなく、お金全体の不安が軽くなった」

3ステップはあくまで状況を整理して、自分軸で判断しやすくするためのものなんです。

つまり、自分軸を整える道具 であり、本質は“自分自身と向き合うこと”なのです。

自分軸を整理して、そもそも保険が必要かどうかを考えよう

もしあなたが今、

  • 今の保険が合っているのかわからない
  • 将来のお金がなんとなく不安
  • SNSを見ると焦る
  • 説明を聞いても腑に落ちない
  • 比較するとむしろ不安になる

そのような状態なら、必要なのは「もっと勉強すること」でも「他の保険」でもありません。

必要なのは、

自分の価値観を整理すること=自分軸を整えること。

そして、その具体的なやり方が先ほど紹介した3つのステップ です。

是非取り組んでみてください。

最後に

今回の保険に限らず、投資などのお金の不安は、自分軸で考えることで解決しやすくなります。一方で、自分軸が無いと解決しづらいです。

特に大切なことは、自分軸を整えて、あなたらしいお金の増やし方を考えることです。

これらをもっと深く知りたい人のために、無料のメール講座を作りました。

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