20代独身は貯金がどれくらい必要?お金のプロが貯金の具体例も回答

お疲れ様です。安東です。

いきなりですが、みなさん貯金はしていますかね。日本人は貯金をするのが大好きだと言われています。実際、僕のところに相談に来る人も貯金をしている人は多いです。しかし、貯金をしているからこその悩みもあるわけで。特に多い悩みが、

貯金ってどれくらいあればいいの?

という悩みです。

そこで今回は、具体的に貯金がどれくらい必要なのかについて、シェアしていきたいと思います。

特に、

  • 貯金をどれくらい必要なのかの目標額を知りたい
  • これから投資を始めるのだけど、どのくらい貯金を置いておいた方が良いかを知りたい
  • 投資をするにあたってお金の事を学びたい

という方にはぴったりの記事になります。では、いきましょう!

目次

他の人はどれくらい貯金をしているのか?

そもそもですが、日本人はどれくらい貯金をしているのでしょうか。

これに関しては厚生労働省が2019年に発表している『国民生活基礎調査の概況』を見てみると分かります。

※2019年の『国民生活基礎調査の概況』を基に筆者作成

これは2019年の国民生活基礎調査の概況から図を取ってきたものなのですが、これによると、例えば29歳以下の貯金の平均額は179.8万円となります。ちなみに借入金の平均額は248万円となっています。借入金の方が大きくなっているのは、奨学金、そして消費者金融などのローンの影響ですね。

日本のCMで消費者金融があんなにカジュアルに流れるのはどうかと思っています。と言うのも、僕のところに相談に来る人も年収に関係なく「実は借金があります」という人が増えています。小さいうちから消費者金融のCMを見て、身近に感じて選択肢に入っているからでしょうか。ちょっと考えさせられます。

なぜ人は貯金をしているのか?

ではここで、貯金をする理由についても考えてみましょう。これに関しては、これまで多くの人に聞いてきたのですが、下記の回答をする方が圧倒的に多いです。

貯金が無いと何となく将来が不安だから

実は僕自身も社会人になりたての時は、とりあえずお金を貯めておかないと将来困りそうだな、と思う程度でした。しかし今改めてなぜ貯金をしようと思っていたのかと言うと、頭の中に漠然と下記の事を考えていたからだと思います。多くの人から話を聞いても同じ意見が多く挙がります

  • 大きな病気になって働けなくなったときのため
  • 会社が倒産したり失業したりしたときの備えのため
  • 転職をするとき、次の勤め先が見つかるまでの生活費のため
  • 老後や将来の生活費のため

しかし、本当にこれらの悩みを解決する方法として、貯金をするのが一番ベストなのでしょうかそのためには、そもそも貯金について知っておくと分かりやすくなりそうですよね。ですから、まずは貯金についてのメリットとデメリットについて学んでいきましょう。

貯金のメリットとデメリット

まずは貯金のメリットとデメリットの図を作りましたので、全体像のご確認を!

これだけだと分かりづらいので、一つ一つ解説をしていきますね!

■貯金のメリット

貯金のメリットは2つありますので、これらについて解説していきます。

メリット1:いつでもお金が引き出せる

貯金は、いつでも引き出すことができます。日中は銀行から降ろせますし、夜中に引き出そうと思ったらコンビニに行けばできます。いつでも引き出せるという流動性の高さこそが貯金のメリットです。

例えば、1000万円の不動産を持っていたとしてもすぐに1000万円のキャッシュを用意できるわけではありません。1000万円の株を持っていたとしても、現金になるまでには株を売らなくてはならないので、売買の手続きをして口座に入金されるまでは早くても3日はかかります。そのため、いつでもすぐにお金が引き出せるという流動性の高さ貯金のメリットの1つ目です。

メリット2:1000万円の貯金+利子の安全が担保されている

貯金のメリットの2つ目は、安全性です。安全性には2点ありまして、物理的な安全と、制度的な安全があります。

物理的な安全とは、他人から盗まれたり奪われたりしない安全のことです。例えば、家に1000万円置いておくと泥棒や強盗に入られるんじゃないかという不安もありますが、貯金をしておくと安全に守られます。人から盗まれたりする心配が無いというのは大きなメリットですよね。

制度的な安全とは、銀行が倒産をしても貯金が守られるという安全のことです。これを預金保険制度というのですが、これは銀行が倒産しても預金は1000万円とその利息までは守られるという制度です。ペイオフって聞いたことありますかね。ペイオフとは、銀行が倒産したときに預金保険制度によって守られたお金が手元に戻ることを言います。

銀行にお金を預けると、自分のお金は物理的に守られて、かつ、銀行が倒産したとしても1000万円とその利息までは保護されるというのは、本当にすごいですよね。

さて、次にデメリットに関しても紹介します。

■貯金のデメリット

貯金のデメリットは下記の1点のみです。

金利が少ないのでお金が増えづらい

貯金のデメリットは、お金を置いていてもお金が増えづらいという点になります。今現在の大手銀行の普通口座の金利は、年利で0.001%です。

ちなみに、この年利0.001%というのはかなり低い水準でして。他の金融商品と比較をするとより顕著になります。今金利がめちゃくちゃ低いと言われている日本の国債でも年利0.05%の最低保証がありますし、割とリスクが高い株などを選択すると年利5%~10%程度、リスクをあまりとらない外国の債券を選択すると年利2%~4%程度となります。

この差はあまり大きく感じないかもしれませんが、長い期間運用をするとかなりの差になります。例えば、下記の表に100万円を30年間複利運用したらどうなるかをまとめてみたので見てみましょう。なお、日本国債は最低金利の0.05%を、世界債券の投資信託は2%、世界株型の投資信託は5%の金利を用いて計算しています。

金融商品年利30年後のお金
貯金0.001%約100.03万円
日本国債0.05%約101.5万円
世界債券の投資信託2%約181.1万円
世界株の投資信託5%約432.2万円

こんなに差が出るとはびっくりですよね。100万円を30年間貯金でおいていたとしても300円しか増えないということになります。ですから、この低金利のために貯金ではお金は増えないのです。もちろん貯金には元本保証があり、投資信託には元本保証がありませんので、そこもご注意を。

定期預金や財形貯蓄には特に注意

特に注意しなければならないのは定期預金です。定期預金とは、ほんの少し金利が高くなる代わりに、自分で期間を決めてお金を引き出せなくする貯金のことなんですが、これは貯金の最大のメリットの流動性を消してしまう方法です。

ちなみに、2021年の10月現在のある大手銀行での比較を見てみると、

貯金の種類年利
普通預金0.001%
定期預金0.002%

となっていました。ほんのちょっと金利が高くなる程度ですから、メリットはありません。これならまだ最低金利0.05%を保障している国債の方が高いですからね。お金を引き出せなくなって、なおかつ、金利も低いというものですので、今定期預金をやっている方は、本当になぜやっているのかを考えたほうが良いと思います。

また財形貯蓄に関しても注意が必要です。財形貯蓄とは会社の福利厚生制度の一つで、制度を採用している会社としていない会社があります。これらは 一般財形、住宅財形、年金財形の 3種類あるのですが、利子が非課税になるメリットと、強制的に貯金できるメリットだけしかありません。

結局のところ、今は低金利なので利子が非課税になるメリットはほぼ無いに等しいので、定期預金も財形貯蓄もメリットは「強制的に貯金をする」ということだけになります。しかし、強制的にお金を貯めるのは他の方法でもできることですし、もっと良い方法もあります。

ですから、定期預金と財形貯蓄には特に注意したほうが良いです。

以上のメリットとデメリットを考えると、僕らは、貯金のメリットを生かせる使い方をどう選択するかが大切になります。

貯金をうまく利用するための3つの使い方

では、貯金のメリットをうまく利用した使い方とは、具体的にどんな使い方なのでしょうか?

これに関しては、僕が実際にお客様にアドバイスをしている3つのお勧めの貯金の使い方があるので紹介していきたいと思います。まずは全体像を図でまとめたので見てみましょう。

さて、これについて一つ一つ解説をしていきます。

使い方1:緊急時に必要になるお金

緊急時に使うお金は、大きく分けて4つ考えましょう。医療費、当面の生活費、個人事業主の方は事業のランニングコスト、車費用などの生活によって必要なモノの4つです。

当面の生活費は会社が倒産をしたり急に首になった時に必要なお金です。その際は基本的は失業保険がおりてきますが、自分の都合で退社した場合はもらえるまでに3か月かかります。また最悪その間に転職が決まらない可能性も考えて、3か月~6か月程度の生活費を準備しておきましょう。これはどんな人にでもマストです。

医療費に関しては、とりあえずは高額医療制度で必要な金額を用意しておけば大丈夫です。ここは年収帯によって変わるため詳しい説明を割愛しますが、1週間程度の入院や手術で済む程度の病気ならざっくり10万円~30万円あれば十分です。がんや脳卒中などの大きな病気に関しては、民間の保険も考慮したほうが良いでしょう。

また個人事業主の方は、これに加えて3か月~6か月分程度の事業のランニングコストも検討する方もいます。

あとは、生活圏によっては必要になる費用です。車が絶対に必要な環境で暮らしている方もいると思いますので、そういう方はこの費用も考えるとよいと思います。

使い方2:近い未来に使うかもしれないお金

1年から3年以内に使うお金に関しては、貯金で持っているとメリットを生かしやすいです。例えば、旅行のお金や自分の結婚費用などです。株で旅行代金を持っていたとしたら、旅行1週間前に株が急降下していけなくなったなどになるとシャレになりません。そのため、このような近い未来に使うかもしれないお金に関しても貯金で持っておくとよいです。

具体的には、旅行費用や自分の結婚費用、住宅ローンの頭金、数年後に控えた自宅の修繕費用などです。旅行費用に関しては、1週間の海外旅行も含めて考えると多くて50万円程度でしょうか。それ以外にも、住宅ローンの頭金、1年~3年後の自宅の修繕費用などのように大きなお金が必要な方もいます。

また、不動産投資をしている方は、空室リスクを補うための費用も準備しましょう。家賃の半年~1年分あればよいでしょう。

使い方3:心の余裕を生むためのお金

さらに、上記に加えて、どのくらいお金があれば心に余裕ができるのかを考えましょう。ここに関しては、かなりの個人差がありますので一概にどれくらいとは言えないです。ここは無くても大丈夫と言う方や30万円程度で十分という方もいますし、100万円必要な方もいます。中には300万円という方もいました。

今自分が置かれている状態や、お金の知識の度合いによって変わりますので、自分で考えてみましょう。もちろん、心の余裕を生むお金が少なければ少ないほど、投資に回せるお金が増えることになります。

具体的な貯金の例も紹介しちゃいます

さて、こう書いてみると、かなり多くの貯金が必要になると思います。しかし、実際に僕のところにきてコンサルを受けたお客様を見てみると、そんなに貯金は必要ない方が多いです。

そのため、具体的にイメージしやすいように、僕のクライアントがどんな風に貯金をしているのかを紹介したいと思います。了承をくれたクライアントに感謝です。

例1.東京都内在住の27歳の男性のエンジニアの場合

貯金合計額:220万円

この方は性格が心配性な方なので、生活費も医療費も多めにほしいという方でした。そのため生活費は6か月分、医療費は1週間個室に入院できる費用として20万円を準備しています。また大きな病気に関しての医療費は民間の保険で補っています。

またこの方は副業もやっているので、スキルアップをするための自己投資用資金を用意しているのが特徴的です。 いつでもスキルアップできるような環境を作るために貯金をうまく活用している方になります。

なお、それ以外のお金は貯金をしても特に使うことが無いため、全て投資に回している方です。

例2.神奈川県在住の27代の女性の事務職の場合

貯金合計額:231万円

この方は福利厚生がしっかりしている大企業に勤めていいます。会社からの医療費の補助もあるため、医療費に関しては高額療養費制度内のお金を貯金で持ち、それ以外の大きな病気に関しては民間の保険で備えています。生活費もいきなり首になることや会社が潰れることは考えづらいため、必要な緊急の生活費も3か月程度と判断しています。

また海外旅行が好きな方なので、最低でも年1回分は用意したいため、旅行資金は常にプールをしています。

また心の余裕資金として、もしかしたら年に数回海外旅行に行くこともあるかもしれないということで、敢えて100万円の余裕資金も用意しています。そのため貯金は231万円あれば十分になっています。実際にはキリが良い300万円の貯金をしています。もちろん、これ以外にも金融資産は沢山ある方なのですが、それらは全て投資に回している方です。

例3.埼玉県在住の34歳の営業職の男性の方

貯金合計額:95万円

この方は普段からあまりお金を使わない方です。医療費に関しても高額療養費制度内の貯金を用意し、それ以外の大きな病気に関しては最低限の民間の保険で備えています。また、営業職はすぐにつぶしが効くため、失業保険の3か月分さえあれば大丈夫という考え方をしています。

あと必要になるのは、家電や友人の結婚式の出席費用程度です。そのため貯金は100万円あれば十分になっています。

ちなみに、この方は50歳までに早期引退をするために月15万円の不労所得を作ることを目指している方です。そのため他の資金は全て投資をしています。

貯金せずに余ったお金はどうするのか

さて、ここまで読んだ方の中には、しっかり家計管理をしていて必要な貯金額がもう作れている方もいると思います。そういう方のために、お勧めなお金の使い方についても軽く話したいと思います。

結論から言うと、余ったお金に関しては、民間の保険、自己投資、経済投資、楽しむお金として使うとよいと思います。これについてもちょっとだけ注意点を話そうと思っています。

民間の保険について

お金に余裕ができてきたら、さらに民間の保険についても追加しようか考える人もいると思います。相談に来る方からも、医療費をさらに貯金で補うのか、民間の保険で補うのかをよく質問されます。こういう方は、まずは民間の保険を選ぶときに考えるべきことを見てみると良いと思います。

民間の保険を検討するときに大切なことは、

・国の社会保険制度や今いる企業の医療制度を知ること。そして足りない部分やさらに備えたい部分を決めてから、民間の保険で備えること。

・保険でしかできないことは、保障を取ること。保障を取る以外のことは、他の金融商品の方が効率がよい。

・特に、保険でお金を増やそうとしないこと。

これらをしっかり確認して、考えるとよいと思います。特に民間の保険でしかできないことは、「保障を取ること」ということは頭に入れておきましょう。そして、保障をとる以外の選択肢については、他の金融商品でしたほうが効率は良いです。

経済投資について

投資をするためにお金を貯めている人がいますが、そういう方は早く投資を始めたほうが良いです。特に20代の方は、投資でお金を増やすことだけを考えずに、投資に慣れることも目的にするとよいと思います。

僕はこれまで沢山のお客様を見てきましたが、30歳になっていきなり投資を始めようとしても、怖くなってしまい中々始められなかったりする方も沢山います。お金を増やすためには、リスクを取ることが必要になります。そして、そのリスクがどんなものなのかを経験しているか否かで、将来得られるお金はかなり変わってきます。

是非、20代のうちは、最低でも投資を経験して慣れることを目標にしてみてください。もちろん、もう慣れている方は増やしていきましょう。ちなみに、投資に関しては、僕のメルマガでも扱っていますので興味がある方は見てみてください。

自己投資について

20代のうちは、自己投資も大切です。なぜなら、20代では経済投資で株などをするよりも、スキルや人脈をどんどん作っていって自分の給料を上げたほうが効率が良いからです。これに関しては、是非周りの尊敬する人からどんなスキルや資格が必要なのかを聞いてみたり、他の会社の人から話を聞いたり、自分で副業などをしてみてください。

例えば、僕が作っているコミュニティにいる人は、3年以内に課長になるために、昇進要件のTOEICの勉強や簿記の勉強をしている方もいます。また副業での収入を増やすためにライティングスクールに通って、その仕組みを使ってお金を稼いでいる人など、そういう人が沢山います。

特にこれからの時代は転職や副業が当たり前になってきますので、一つの会社だけの世界に閉じこもっていると視野がどんどん狭くなってきます。視野を広げるためにも、会社内だけでなく、会社外の人との付き合いを大切にして、自分なりに必要なスキルや考え方など沢山仕入れておきましょう。

楽しむお金について

お金を使って色々な経験を積んだり楽しんだりすることができます。好きな歌手のLIVE資金にしたり、旅行にいったり、趣味費用にしたり、などの楽しむためのお金もとても大切です。

そして、僕が特にお勧めしているのは「他人のために使うお金」です。家族や友人へのプレゼントでもよいですし、お世話になっている人と一緒にご飯を食べるのも良いでしょう。モノを自分のために買うよりも、誰かのためにお金を使うという経験も是非チャレンジしてみてください。

結局は、会社内外で話せる人が沢山いたり、投資や保険の優秀なアドバイザーがいるかどうかが大切になりますよね。あなたが今いる環境を見直してみるとよいと思います。

まとめ:貯金でしかできないことをやろう!

ということで、今回は貯金について話してきたので、大切なことをもう一度。

アンドゥーさん
アンドゥーさん

■貯金のメリット

・いつでも引き出せる流動性

・1000万円まで守られる預金保険制度

■貯金のデメリット

・お金が増えづらい

ですからあくまでも、緊急に必要になるお金を安全に置ける場所、と捉えておくことが大切になります。そして、貯金のメリットが生かせる使い方以外はしないことも大切になります。

あくまで貯金は「あなたの心の余裕を作って、日々の生活を楽しくしたり活動的にしやすくするもの」という本質を忘れずに!!!

ということで今回は以上です!

安東

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