老後のことを考えると、具体的にどのくらいのお金を貯めていけばよいのか、どんな病気に備えればよいのか、気になるものです。
しかし、ネットで検索してみても、具体的にどのような準備をしていけばよいか分からないと感じたことはありませんか?
そこで今回の記事では、
- 独身の方の老後資金の計算方法
- 老後を見据えた保険の考え方
について、解説していきます。
この記事を書いている私は、MDRT(保険のトップ7%の営業マン)に入っているプロの保険営業マンで5年のFP歴があります。
お金のYoutube登録者8,000人以上で、総再生数は200万回以上。
お金と幸せについて考えるオンラインサロン、アンパスの管理人でもあります。
老後資金や必要な保険の見直しに関して、具体的なイメージを持てるようになりますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
では、いきましょう!
1.独身の老後の費用は972万円~2,520万円必要です
結論として、独身の方は老後には972万円~2,520万円必要です。
幅があるのは、持ち家があるかどうかで変わるからです。
なぜ、老後の生活費がこれくらい必要なのかについてシェアしていきます。
なお、65歳から年金が始まりますので、ここでは、老後を65歳からとして考えます。
・65歳まで生きた男性は平均84.83歳、女性は平均89.63歳まで生きる
まずは独身の方が、どれくらい生きるのかを見てみましょう。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html
この図は、厚生労働省が2019年に発表した簡易生命表です。
簡易生命表とは、年齢別に平均であとどれくらい生きるのかを表しているグラフです。
この図から分かることは、2019年において、65歳の男性はあと平均19.83歳生き、65歳の女性はあと平均24.64歳生きるということです。
つまり、65歳まで生きた方が平均で何歳まで生きるのかを算出することができます。
男性:65歳+19.83歳=84.83歳
女性:65歳+24.64歳=89.63歳
これは現在65歳の方の数字ですので、現在20代や30代の方は、さらに数字が大きくなると考えられます。
人生100年時代と言われていますが、今後医学の発展などを考えるとありえない話ではないと考えています。
特に将来の老後の生活費を考えるとギリギリ平均の値を考えても余裕がないため、仮に95歳まで生きたケースで考えていきましょう。
・老後の月々赤字額は2.7万円~7万円
独身の方の老後の月々赤字額は月2.7~7万円です。
これに関しては、総務省が発表したデータが参考になります。

https://www.stat.go.jp/data/kakei/npsf.html

https://www.stat.go.jp/data/kakei/npsf.html
この図は、総務省が2019年に発表した「令和元年家計調査年報(家計収支編)」から抜粋したものです。
上図から単身高齢者の収入と生活費は、下記のように導き出せます。
月々の収入(主に年金)・・・約11.3万円/月(表は112,649円と記載)
月々の生活費・・・約14万円/月(表は139,739円と記載)
ここで注意しなければならないことは、住居費です。
住居費は12,916円/月と記載していますが、これは持ち家の方が多いからだと考えられます。
より現実に則した住居費については、統計局が平成30年に発表した「住宅・土地統計調査」が参考になります。
ただこの数値に関しては、独身の方全体の数値なので、実際はもう少し小さくなると予想されます。

https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html
この図から、月々の住居費は、約5.6万円(55,675円/月と表には記載)ということが分かります。
先ほどの家計調査年報では、住居費は、約1.3万円/月となっていましたので、これと比較すると、4.3万円/月、高くなっていることが分かります。
つまり月々の生活費に関しては、持ち家ではない方は
約18.3万円
と考えておくとよいでしょう。
すると、月々の損益は、下記のようになります。
持ち家: 11.3万円 - 14.0万円 = ▲2.7万円
賃貸 : 11.3万円 - 18.3万円 = ▲7.0万円
仮に、65歳から95歳まで生きたとすると、この損益が30年間続くことになりますから、
持ち家: ▲2.7万円/月 × 12か月 × 30年 = ▲972万円
賃貸 : ▲7.0万円/月 × 12か月 × 30年 = ▲2,520万円
ということになります。
もちろんこれは仮定の話で、月の生活費は人によって変わりますし、今回の計算例では、かなりカツカツの家計になります。
言い換えると、最低限生きていくために必要な金額になっていますので、自分自身の生活費が今どれくらいなのかを考えて計算してみてください。
ここまで、老後に必要な生活費について計算してきましたが、何とか貯金だけでカバーしようと考えている方も多いと思います。
しかし、老後は、生活費以外にもお金が必要になる可能性が高いです。
それは、がんや介護などの大きな病気になったときのお金です。
老後の生活はずっと健康なまま過ごせればよいですが、現実問題として、大きな病気や介護に対しても備えておく必要があります。
これらのお金の準備方法として色々な方法がありますが、ここでは効率の良い準備法の1つである保険について解説します。
特に、独身の方が、老後になる可能性の高い病気や介護について解説し、実際にどんな保険で備えていくのがお勧めなのかをシェアしていきます。
2.独身の方が老後もふまえて必要な3つの保険
結論から言うと、独身の方が保険で備えておいた方がよいものは、三大疾病保険、医療保険、介護保険です。
・三大疾病保険と医療保険
三大疾病とは、がん、心疾患(主に急性心筋梗塞)、脳血管疾患(主に脳卒中)のことを言います。
これらに備えておいたほうがよい理由は、日本人の死亡原因として上位だからです。
厚生労働省が2019年に発表した「人口動態統計月報年計の概況」を見てみると、約50%の人が、三大疾病が原因で亡くなっていることが分かります。
- がん・・・27.3%
- 心疾患・・・15.0%
- 脳血管疾患・・・7.7%
合計50.0%
そして、三大疾病が原因で亡くなっているということは、その前後で、入院なり治療費なりの費用が発生していることになります。
特に多額の費用がかかるのは入院費ですが、厚生労働省が発表した平成27年度の「患者調査」によると、それぞれの病気で下記のような平均入院日数となっています。
がん | 16.1日 |
心疾患 | 19.3日 |
脳血管疾患 | 78.2日 |
この数字を見てみると、特に脳血管疾患の入院日数が他の病気に比べて多いことが分かります。
もちろん、医療費に関しては、全てが自己負担ではありません。
高額療養費制度や、高齢者の医療費の負担は、通常よりも少ないのも事実です。
しかし、自己負担しなければならない費用も存在します。
その代表が、「入院している期間のベッド代(差額ベッド代)と食費」、そして「先進医療などの自由診療の治療費」です。
特に三大疾病の一つ、がんに対しては、体の負担を軽くするために先進医療を選ぶ方も多く、治療費の負担も大きくなっていることが分かっています。
三大疾病のような大きな病気に対して、独身の方は自分で準備をしなくてはいけません。
そのため、今から三大疾病保険と医療保険で準備することをお勧めしています。
・介護保険
介護保険も独身の方にはお勧めしています。
なぜなら、介護に関しても将来多くの人がなる可能性が高いからです。

この図は、平成30年に厚生労働省が発表した「介護給費等実態調査の概況」から抜粋したものです。
どの年齢で、どのくらいの確率で介護が必要になっているかが読み取れます。
上述した老後費用に関しては、男性も女性も95歳までは生きるという仮定のもと考えてきました。
そこでここでは、90歳以上の人が、どのくらい介護が必要になっているのかを見てみましょう。
そうすると、男性は少なくとも2.1人に1人、女性は少なくとも1.5人に1人は介護が必要になっていることが分かります。
特に独身の方は、誰にも頼ることができないため、介護費用に関しては自分自身で用意をしていく必要があります。
以上、老後に必要な資金と、それ以外に必要な資金について考えてきました。
カツカツではありますが、老後資金については、
持ち家あり・・・972万円
持ち家無し・・・2,520万円
程度は最低限必要という話をしました。
そして、仮に持ち家が無い方で今35歳の人が、65歳までの30年間でこのお金を貯めるためには、
2,520万円÷30年÷12か月=7万円/月
の貯金をしていく必要があります。
月7万円の貯金をしていくのは結構大変です。
そして重要なことは、これだけでなく医療費や介護費を別に用意する必要があるということです。
住宅ローンのように、老後資金は借りることができません。
そのため、今この瞬間から、将来の資金準備は始めるとよいです。
もちろん、どれくらいお金が必要なのかはその人のライフスタイルや生活費によって変わりますし、どのくらいの保険に入り保障に備えるのかは人によって違います。
ただ共通して言えることは、今からしっかり自分の老後について考え、今の生活をもう一度見直すことが大切だということです。
そして、家計も、保険も、投資も、トータルで見直しを行うことが重要です。
どれか一つを見直せばよいというわけではありません。
もし、どうやって見直せばよいか分からない場合は、ぜひ僕のブログなり、メルマガを参考にしてください。
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