働いて収入も安定してきたから、将来を見据えて保険を検討しなきゃと考えている独身の方も多いでしょう。
一方で、
- ネットで検索しても情報が乱立しており何が大切か分からない
- 友人や上司に聞いても「本当にこの保険がいい!」という確信が得られない
- 正直、どうやって決めればよいのか分からない
と頭を抱えていないでしょうか?
そこで今回の記事では、保険を選ぶ際に何を基準にして選んだほうがよいのかについてプロの目線で解説します。
この記事を書いている私は、MDRT(保険のトップ7%の営業マン)に入っているプロの保険営業マンで5年のFP歴があります。
お金のYoutube登録者8,000人以上で、総再生数は200万回以上。
お金と幸せについて考えるオンラインサロン、アンパスの管理人でもあります。
今回紹介する4つのステップを知ってから保険を選ぶと、失敗する確率は格段に減りますよ。
5分ほどで、サラっと読めるので、スキマ時間でチェックしてみてください。
1.独身の方の失敗しない4つの保険の選び方
結論として、独身の方の失敗しない保険の選び方は下記の4つです。
一つ一つ解説していきます。
ステップ1.必要な保障を考える
独身の方が保険選びで失敗しないためにまず大切なことは、「必要な保障を考えること」です。
なぜなら、保険は不必要な保障を取ればとるほど損をするものだからです。
例えば、独身の方で特に家族を扶養していないのでしたら高額な死亡保障は必要ありません。
万が一のことが起きたとしても、経済的に困る人がいないからです。
葬式やお墓の準備資金が必要だと考えるかもしれませんが、100万円~300万円程度で済みますし、その分の貯金があるのでしたら死亡保障は必要ありません。
このように、独身の方にも必要な保障、不必要な保障があるので、それを見極める必要があります。
では独身の方にはどんな保障が必要なのでしょうか。
・ほぼ全員に必要な保障は「がん」と「介護」
独身の方に必要な保障は、「がん」と「介護」の2つです。
なぜなら、これらの保障は、将来必要になる可能性が高いからです。
結婚をしてもしなくても、ライフプランに何か変化が起きたとしても、将来、がんと介護になる確率は高いので、今から準備をすることを勧めています。
では、どのくらいの確率で、「がん」や「介護」になるのでしょうか。
まずはそれを見ていきましょう。
・がんは将来2人に1人はなる病気
まずは「がん」についてみていきましょう。
下記の表を見てください。
これは、国立がん研究センターが発表した「がんに罹患する確率(2017)」から抜き出したものです。

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
この表から、生涯でがんになる確率は、男性が65.5%、女性が50.2%ということが公表されています。
つまり男性も女性も、生涯2人に1人はがんになるのです。
最近では、若年層のがんも増えてきています。
がんになってからだと全ての保険には入れなくなってしまいますので、独身の方は将来も必要になるという観点から、がんについての保障は検討したほうがよいでしょう。
・介護は3人に1人はなっている
介護についても備えたほうがよいです。
なぜなら、介護は将来3人に1人はなるからです。
これに関しては、厚生労働省が平成30年に発表した「介護給費等実態調査の概況」を見てみると分かります。

例えば、男性は85歳を超えると、少なくとも3.4人に1人は介護に、女性は85歳を超えると少なくとも2.3人に1人は介護になっていることが分かります。
今後さらに日本人の平均寿命は延びていくと考えられます。
そのため、介護に関しても今から備えておくことをお勧めしています。
特に将来、独身のままライフプランを変化させないとすると、介護資金は自分で用意する必要があります。
なお、介護についてよく質問されることが2点ありますので、それについても回答します。
質問1:介護は貯金で貯めていけばよいのではないのか
質問2:介護費用は具体的にどれくらい必要になるのか
質問1:介護は貯金で貯めていけばよいのではないのか
結論から言うと、介護費用を貯金で貯めていくことはお勧めしていません。
その理由は、今の65歳以上の高齢世帯の貯金額を見てみると分かります。
この図は、2019年の厚生労働省が出した、「国民生活基礎調査の概況」を元に筆者が作成したものです。

この図によると、65歳以上の高齢世帯の貯金の中央値は約700万円程度となっています。
つまり、65歳以上の高齢世帯のうち、約50%の人の貯金は、700万円以下というのが現状なのです。
700万円の貯金では、将来がんになったときの医療費や、介護になったときに経済的なリスクが生じるでしょう。
また、それだけでなく老後の生活費も厳しいです。
もちろん、65歳以降も働くのでしたら経済的なリスクは多少は和らぎますが、これが現状なのです。
そのため、介護に対しては、保険で早いうちから準備しておくことをお勧めしています。
質問2:介護費用は具体的にどれくらい必要になるのか
結論から言うと、将来必要になる介護費用は約1,000万円程度です。
独身の方は、介護のために施設に入る必要があり、自分自身で備えていかなくてはいけません。
具体的に介護にかかる費用に関しては、生命保険文化センターが平成30年の9月に発表した「生命保険に関する全国実態調査」に記されています。
介護費用を計算するためには、「介護の初期費用」と、「月々の介護費用」の2つの値を見てみると計算できます。
一つ一つ説明していきます。
・介護の初期費用
介護の初期費用とは、介護になった際に、施設等に入居するためにかかるお金になります。
在宅介護でしたらこの費用はあまり必要ありませんが、独身の方の場合は、ほぼ施設等に入ることになるため、この費用が必要になります。
なお、「生命保険に関する全国実態調査」には、初期費用の平均として242万円と書かれています。
・月々の介護費用
月々の介護費用もかかります。
これも在宅介護なのか、施設なのかでかかる費用は大きく変わりますが、もし結婚せずに今のライフスタイルを貫く場合は、施設に入ったときの費用がかかります。
その場合、月に平均11万円程度の費用がかかるといわれています。
また、介護が必要な期間については、平均54.5か月と発表されています。
上記を参考にすると、独身の方が施設での介護を選択したときにかかる費用は、下記の通りです。
初期費用242万円+月々の費用11万円×54.5か月=841万円
そして、これは今現在必要な介護費用です。
将来介護が必要になるのは、もっと先です。
すると、その分のインフレの影響も考慮しなくてはいけないため、少なくとも約1,000万円の介護費用を用意しておくことをお勧めしています。
ここまで介護について話してきましたが、大切なのは、今から準備をしておくことです。
今現在のデータを用いると、介護に必要な費用は約841万円程度。
しかし65歳以上の高齢世帯の貯金の中央値は700万円程度でした。
つまり今後、満足する介護が受けられない人が多くなってくるのです。
このような現状から、私は今から介護を保険で備えることを勧めています。
ステップ2.月々の予算を考える
月々の予算を考えることも大切です。
なぜなら、保険以外にも大切なことは沢山あるからです。
例えば、保険以外にも大切なことの例として、将来の生活費を投資で積み立てることや、自己投資をして自分の給料や収入を上げることなどが挙げられます。
このように保険以外にもしっかり予算を取る必要があります。
目安としては、まずは月々の貯金額の30%程度を目安に保険を考えるとよいでしょう。
なお、お勧めしている貯金の予算は、下記の通りです。
40% | 銀行口座(緊急用に備えるためのお金) |
30% | 自己投資や、株などの経済投資といった、お金を増やすための予算 |
30% | 保険などで保障を取りつつ、お金を積み立てる予算 |
ポイントは、保険で必要な保障を取り終えたら、保険以外のもので積み立てていくということです。
なぜなら、保険はあくまでも保障を取るためのものだからです。
保険は保障がある分、コストがかかっています。
そのコストがかかっている分、お金が増えづらくなっているのです。
そのため、必要な保障を取り終えたら、保険以外の選択肢を考えることが大切です。
もちろん、どのくらいの収入があるのか、どのくらい貯金があるのかによって上記の予算は変わりますが、まずはこの値を参考にするとよいと思います。
ステップ3.複数の保険会社を比較する
複数の保険会社を比較することも大切です。
なぜなら、各保険会社には、得意な保険があるからです。
イメージしやすいのは、レストランです。
パスタが美味しい店、ステーキが美味しい店、餃子が美味しい店のように、各レストランには得意な料理がありますよね。
それと同じように、保険会社にも得意な保険があります。
A保険会社は医療保険が得意、B保険会社は終身保険が得意、などです。
そのため、1つの保険会社で保険を完了させるのではなく、複数の保険会社から比較できる代理店で保険を検討したほうがよいでしょう。
それぞれの保険会社で得意とする保険を選りすぐると、同じ値段で保障範囲が広くなりますし、同じ保障で比べるとリーズナブルになります。
そのため、複数の保険会社を比較できる保険代理店で見直しをするのが大切なのです。
ステップ4.良い担当者を見つける
良い担当者を見つけることも大切です。
なぜなら、担当者によってお勧めする保険が変わるからです。
例えば、保険だけで将来の生活費の作り方を完了させようとする保険マンと、投資信託や株に詳しくてそれらも踏まえてトータルでコンサルティングをしてくれる保険マンでしたら、どちらのほうがよいでしょうか。
もちろん後者の方がよいですよね。
ですから、保険以外のこともアドバイスできる担当者を選ぶことが大切です。
そしてもう一つ大切なのは、「気の合う人かどうか」です。
保険を選ぶ際、将来設計も一緒にして保険を選ぶことになるので、気の合う人でないと苦痛になります。
ここは人なのでしょうがない部分でもあるのですが、「自分自身がこの人なら大丈夫」と直感で思える人を選ぶことも大切です。
特によくある失敗としては、友人や知り合いという理由だけで保険に入ってしまう例です。
その友人は、本当に保険のプロでしょうか?
そして、保険以外のこともトータルでコンサルをしてくれるのでしょうか?
保険は、将来のどんなリスクに対して、どんな保障を取れるのかをしっかり向き合って考えることが重要です。
そしてそれと同時に、将来の生活費等も踏まえて考えて、適切な保険料を定めることも大切なのです。
良い担当者から保険に入らないと、本当に損をしたり、万が一のことが起きたときに困ったことになります。
ぜひ、保険の相談をするときは、良い担当者を選びましょう。
以上、保険の選び方を考える際に大切なことを4つ挙げてきました。
上記の内容を踏まえて保険を考えると、保険選びに失敗しづらくなります。
2.保険で大切なのは「保障」です
ここまで記事を読んでくれた方は、保険を選ぶ際に大切なのは「保障」ということが分かったと思います。
保険でしかできないことは「保障を取ること」です。
しかし多くの方の保険の見直しをしてきましたが、「お金を増やすため」や「税金を安くするため」など、間違った認識で保険に入っている方が非常に多いです。
お金を増やすのでしたら、保険以外に効率のよいものが沢山あります。
そして同じく、税金を安くするのでしたら、保険よりも効率のよいものがあるのです。
保険は、保険でしかできない「保障」を考えることが大切なのです。
そして、必要な保障を取り終えたら、後は保険から卒業することが大切です。
もしまだしっかり保障について考えていないのでしたら、ぜひ保険の見直しを検討したり、自分自身で保険について考えてみてください。
年代や性別に合わせてどんな保険を選ぶべきか、それぞれ記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。




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